海外の大学や大学院に出願する際、推薦状(Letter of Recommendation / Reference Letter)の提出が求められることが多い。推薦状は第三者があなたの能力や人柄を保証する重要な書類であり、合否に大きく影響する場合もある。
しかし、日本では推薦状を書いてもらう文化があまり根付いていないため、「誰に頼めばいいの?」「どうやってお願いすればいいの?」と悩む方も多い。この記事では、推薦状の依頼方法から内容のポイント、実際の書き方まで、詳しく解説していく。

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推薦状とは?留学出願での役割
推薦状は、大学の教授や職場の上司といった第三者が、志願者の学力・能力・人柄・ポテンシャルについて記述する書類だ。出願書類の中で、志望動機書(Personal Statement)やGPAと並んで重視されるものの一つとされている。
海外大学院の入学審査官は大量の出願書類に目を通しており、1通の推薦状に割かれる時間はせいぜい「1分程度」と言われている。そのため、具体的なエピソードを交えた説得力のある推薦状が求められるのだ。
通常求められる推薦状の通数
- 大学学部:1〜2通
- 大学院:2〜3通
- MBA:2通(学術面+実務面からそれぞれ1通が理想)
- 奨学金:1〜2通
推薦状は誰に頼むべき?推薦者の選び方
推薦者選びで最も大切なのは「ネームバリュー」ではなく、あなたのことをどれだけ深く具体的に書けるかという点だ。表面的にしか知らない有名教授よりも、ゼミで密に指導してくれた教授のほうが、はるかに説得力のある推薦状を書いてもらえる。
推薦者の候補
- 大学の教授・指導教員:ゼミや研究室でお世話になった先生が最適
- 授業を履修した教授:優秀な成績を収めた授業の先生
- 職場の上司:社会人留学の場合、直属の上司が適任
- 研究やプロジェクトの指導者:共同研究やインターンシップの上司
家族や友人は推薦者として不適切。また、あなたのことをよく知らない人に頼んでも、内容が薄くなってしまい逆効果になりかねない。

推薦状の依頼方法と手順
ステップ1:依頼の準備をする(出願の2〜3ヶ月前)
推薦状の依頼は出願締切の少なくとも1ヶ月前、できれば2〜3ヶ月前にお願いするのが理想だ。以下の資料を準備しておくと、スムーズに依頼できる。
- 留学の目的と志望校の概要
- 自分の成績表(トランスクリプト)
- 履歴書(CV / Resume)
- 志望動機書のドラフト
- 推薦状の提出期限と提出方法
- 推薦状に盛り込んでほしいポイントのメモ
ステップ2:対面またはオンラインで依頼する
いきなりメールだけで済ませるのは避けたい。まずはメールでアポイントを取り、対面またはWeb会議で直接お願いするのがマナーだ。依頼時には、なぜその先生にお願いしたいのかを丁寧に伝えよう。
ステップ3:必要な資料を渡す
推薦者が書きやすいよう、上記の資料を提供する。数年前に授業を受けた教授に頼む場合は、どの授業でどんな活動をしたか、思い出してもらうための情報を添えるとよい。
ステップ4:締切前にリマインドする
教授も多忙なため、締切の1〜2週間前に丁寧にリマインドのメールを送ろう。催促ではなく、「お忙しいところ恐れ入りますが、締切が近づいてまいりましたのでご確認いただけますでしょうか」という形が望ましい。
ステップ5:お礼を伝える
推薦状を書いてもらったら、必ず感謝の気持ちを伝えよう。合否が出た後にも結果報告をするのが礼儀だ。
推薦状に含めるべき内容
推薦状の文章量は1〜1.5ページ程度が適切とされている。1ページで収まると情報が少なすぎ、2ページを超えると読む側の負担になる。
推薦状の基本構成
- 導入部:推薦者と志願者の関係性(どのような立場でどのくらいの期間知っているか)
- 学力・能力の評価:具体的なエピソードを交えて、志願者の能力や実績を記述
- 人柄・協調性:チームワークやコミュニケーション能力など、人間性に関する記述
- 将来性:志願者が留学先で成功できるポテンシャルについて
- 結論:志願者を推薦する旨を明確に記述
- 推薦状は推薦者の所属機関の公式レターヘッドで作成するのが望ましい
- 最後に推薦者の自筆のサインを入れる
- 具体的なエピソードや数値を盛り込むと説得力が増す
- 抽象的な褒め言葉(「優秀な学生です」)だけでは弱い。何がどう優れているのかを具体的に
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推薦状の依頼メール例文
推薦者に依頼する際のメール例文を紹介する。あくまで参考例のため、自分の状況に合わせてアレンジしてほしい。
【日本語でアポイントを取る場合の例】
件名:推薦状のお願い(海外大学院出願に関しまして)
○○先生
お忙しいところ失礼いたします。○○学部○年の○○です。
○年次に先生の○○の授業を履修し、大変お世話になりました。
このたび、○○大学大学院への留学出願を予定しており、推薦状をお願いできないかと考えております。お時間をいただけるようでしたら、一度ご相談の機会をいただけますと幸いです。
出願締切は○月○日を予定しております。
ご多忙のところ大変恐縮ですが、ご検討いただけましたら幸いです。

推薦状で日本の教授にお願いする際の注意点
英語で書いてもらう必要がある
海外大学への出願では、推薦状は基本的に英語で提出する必要がある。英語で書くのが難しい場合は、日本語で内容を書いてもらい、公認翻訳者に英訳を依頼する方法もある。
推薦状の「ドラフト」を自分で書くケースも
日本では、推薦者から「ドラフトを書いてきて」と言われることがある。海外では推薦者自身が書くのが通常だが、日本の慣行ではドラフトを求められることは珍しくない。その場合は、推薦者の視点で客観的に書くことを心がけよう。
オンライン提出への対応
近年は推薦状をオンラインで提出する大学が増えている。推薦者のメールアドレスを出願システムに登録すると、推薦者に直接フォームが送られる仕組みだ。事前に推薦者にこの流れを説明しておくとスムーズだ。
よくある質問(Q&A)
Q. 推薦状は何通準備すればいい?
出願先によって異なるが、一般的に大学院は2〜3通求められる。複数校に出願する場合、同じ推薦者に複数通をお願いすることになるため、事前に出願校数も伝えておこう。
Q. ゼミの先生以外に頼める人がいない場合は?
授業で優秀な成績を収めた科目の教授や、研究プロジェクトで一緒に活動した教員にもお願いできる。社会人の場合は、直属の上司やプロジェクトリーダーも推薦者として適任だ。
Q. 推薦状の内容を自分で確認できる?
多くの大学では、出願時に「推薦状の内容を閲覧する権利を放棄するか(waive your right to view)」を選択する項目がある。権利を放棄するほうが推薦者の本音が反映されると見なされ、好印象になるとされている。
Q. 断られた場合はどうすればいい?
推薦者が忙しい場合や、推薦に自信がない場合は断られることもある。その場合は感謝を伝えつつ、別の推薦者候補に当たろう。断られたことを深刻に受け止める必要はない。

まとめ
推薦状は留学出願の中でも準備に時間がかかる書類の一つだ。推薦者選びでは「自分のことをよく知っている人」を優先し、依頼は出願の2〜3ヶ月前に丁寧にお願いするのがベスト。推薦者が書きやすいよう必要な資料を提供し、締切前のリマインドとお礼も忘れずに行おう。
出願書類の全体像については「海外留学の準備やることリスト|出発までの完全ガイド」もあわせて確認してほしい。
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